稽古帳

いにしえの会は、2〜3ヶ月に一度、各専門領域で実績のある講師の方々に特別講座を依頼しております。目的は、
①異なる視点、切り口から身体操作や姿勢、呼吸、身体のこわばり、そのほぐし方、などを多岐に学びます。身体そのものの解釈や理解の範囲を広げ、
②分野をまたぎ身体の仕組みを探究することで、共通する身体感覚についての解像度が高まりやすくなる、と考えております。

経験上、これだと思った方法論を思い切って手放すと、また新しい物の見え方が獲得されることがあります。その体験を積み重ねていくと、どうなるでしょうかーー。

達人と呼ばれる(不定期にお招きする)講師陣の皆さまは、鍛錬を通した身体哲学をお持ちです。それを受け止め理解することや自分の身体で即実行するのは簡単ではないです。しかしその様な場を継続して設け、稽古を続けるうちに、文字通り腑に落ちるような体で実感する
「気づき」と、身体の所有感が濃くなると喩えられるような、身体を思う様に動かせていける「実践」が深まっていくでしょう。
人が集まり相互に交流稽古することの価値は、良いことばかりでないこともあります。前提となる知識や価値観を手放すことは意識的にこれまでの自分への疑いも持たなければならないからです。ベクトルを自身の内側に向けながら、自身と対話する。この始まりが稽古の上達であり、武道や稽古の鍛錬を継続的に行うことの意義でもあると考えています。
武道がその上達過程で必要とする、自分と向き合わざるを得ないという側面があります。
ぜひ、特別稽古や、会員相互での学び合いを通じ、自己と向き合って柔らかな強さを身につけて頂きたいと考えています。

過去の稽古で取り組んだ内容の忘備録としてまとめた稽古帳はこちらです。
(2021年8月15日)